インサイト

食品ロスが及ぼす地球温暖化への影響と関係

食品ロスの問題は、食材・食品を廃棄する時だけに焦点が向けられがちです。
しかし実際は、食材・食品の生産過程で発生したエネルギーや、焼却する際に消費するエネルギーも無駄にしていることになります。

本記事では、食材や食品を廃棄することで発生する地球温暖化への影響と、明日から取り組める食品ロス対策についてご紹介していきます。

なぜ食品ロスが地球温暖化へ繋がるのか

「残した食材や食品は廃棄する」という、多くの皆さんが日常的に当たり前に行っている行動ですが、実はその行動が地球温暖化に繋がっていることもあります。
食材や食品を廃棄することが地球温暖化にどのような影響をもたらすのか、食材や食品を廃棄するまでの過程から考えていきましょう。

食品を生産してきたエネルギーが無駄になってしまう

まずは、食品が生産されてきた工程から見ていきましょう。食品が生産されるまでには「生産・保管・加工・輸送」の4つの工程を経て初めて食卓に並びます。

食品を廃棄するという事はこの4つの工程を全て無かったことにしてしまう行為なのです。
コンビニで販売されているサラダ野菜を例に見ていきましょう。

レタス、トマトのハウス栽培で生産をする為に「肥料」や「栄養」を与える必要があります。
この「肥料」や「栄養」を生産する為にもエネルギーが必要です。

次に「保管」です。
野菜を傷めないために、冷蔵・冷凍の保管をし続けなければならないことを考えると、これにもエネルギーが必要です。

「加工」 では食卓に並んだ際、食べやすい大きさにカット、調理する工程にエネルギーが必要です。

そして最後に「運送」。加工工場などから皆さんが住んでいる地域や町のコンビニへ飛行機、船、トラックなどで運送するのにもエネルギーが必要です。

この様に、食品が自分の手元に届くまでには、多くのエネルギーが必要とされています。
食品を廃棄してしまうということは、これら「生産・保管・加工・輸送」で消費されたエネルギーも廃棄してしまうことと同じなのです。

エネルギーを廃棄してしまうということは、誰も何も恩恵を受けることなく、二酸化炭素を排出してしまい、地球にデメリットしか生まれません。

廃棄された食品を償却した際に二酸化炭素が発生

次に、食品が廃棄された後のことを見ていきましょう。
「廃棄された食材は焼却される」
誰もが理解できる方法で処理をしますが、ではこの焼却が地球にどのような影響をおよぼしているか、ご存じでしょうか。

環境NPOの世界資源研究所がまとめたデータによると、食品ロスから排出される温室効果ガスの量は、飛行機から排出される温室効果ガスよりもはるかに多く、その量なんと約6倍。
この数値を見ると日々のちょっとした食品廃棄がどれだけ地球に影響を与えているかを予想できるでしょう。

食品ロスで発生する温室効果ガスの量は国単位で見ると世界3位

温室効果ガスの排出量が多い国をランキング化すると、世界第1は中国です。
2位はアメリカ。3位はインドと続いています。(4位:ロシア/5位:日本)。

しかし日本の食品ロスの量は、国単位で比較しするとアメリカ世界3位。
このことからも、日本における食品ロスから生まれる温室効果ガスの排出量が伺えます。

PICK UP…食品ロスした分を家計の金額で見ると…

さまざまな説やお話がありますが、総務省が計算した、3人世帯の家計の食品ロスを金額に換算をすると、1カ月約2,500円です。
年間に変換すると、約30,000円分が廃棄されていると計算されています。
また家庭での食品ロス率が1番高いのは野菜類。2位は果実系です。

この順位を見ると傷みやすい食材が上位にあります。
季節によって収穫量に大きく変動のある食材だからこそ、「特売セール」等で「お得だったから」といった心理的な背景から、つい買ってしまったこともひとつあるでしょう。
お得であっても廃棄してしまうのであれば意味が無くなってしまいます。
「家族が食べられる分」を把握し、適切な量を買うことが地球を守る1つの方法です。

食品ロスは貧困差も広げてしまう

食品ロスは貧困差も広げてしまう

食品ロスは地球環境の影響だけでなく、社会問題にも関わっています。
現在、全世界の1/9にあたる約8億人の人が栄養不足に陥っています。
このような栄養不足に苦しんでいる人々に、世界では年間約420万トンの食糧援助がされています。

この数値を日本の廃棄量と比べると、日本の廃棄量は年間約600万トンと栄養不足に苦しんでいる世界へ食糧援助として届けている量よりも多いのです。
日本人の1人1人が少し食品ロスに関して工夫をするだけで、多くの命を救うことができるはずなのです。

これからの生活で私たちができること

これまでさまざまな観点から食品ロスが及ぼす地球温暖化への影響を解説してきました。
これまでに解説をしてきた内容は事実であり、既に起こってしまっていることです。

では、どのようにして少しずつでも良くしていけるのか。弊社が3つの観点から紹介をします。

食品を残さない

「当たり前のこと程、影響力は高い」です。
だからこそ改めて認識をしていただきたいです。
前項で紹介をしたように、食品を残すということは同時に焼却償却が発生します。

食品ロス分の焼却償却を減らすことが温室効果ガス排出を抑える有効な方法の1つであることは間違いありません。
日々の生活の頭の片隅に「食品を残さない」といった意識記憶があるだけで、その後の世界は大きく変わるはずです。

また、食材を使い切ることは生産者への感謝の気持ちを表しています。
自分の目の前に出てくるまでには多くの方々の努力が詰められています
食品を使いきらず廃棄してしまうことは、生産者の努力も廃棄していることと同じこととも捉えることができるでしょう。
生産者の方々へ感謝を伝える方法は「食材を購入する」こともそうですが「食材を使いきる」ことも方法の1つです。
その感謝の気持ちが温室効果ガスの排出量を減少させる1つの大切なものなのかもしれません。

食品は食べられる量だけ購入する

食品を使いきることは地球温暖化への影響も抑えられるのと同時に、家計の食費への計算が正しいことを指しています。
使いきれない食品を購入してしまい、本来なら他に回せたお金を捨てることにならないよう、日々のコントロールを意識してみてはいかがでしょうか。

生産までに多くのエネルギーを使う冷凍・冷蔵食品や輸入食品、加工食品を使わない

エネルギーを無駄にしてしまうこと、つまりエネルギーを多く使用して生産される食品を手にとらなければ、生産量が減り脱炭素に繋がります。

例えば、家庭菜園を始めることで「生産・保管・加工・輸送」のうちの「加工・輸送」工程が無くすことが可能です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

日々、1人1人の食品への考え方を変えるだけで救われる命があることを考えると、次の食事からテーブルに並べる食材の量や品数が自然と変わるかもしれません。

弊社では、この様な食品ロスと地球温暖化の関連性からはじめ、業種業界を問わないすべての企業や個人がカーボンニュートラルに向けて取り組むことができるEARTHSTORYというサービスを展開しています。

また、会社として削減した二酸化炭素を計測し、その環境価値を取引できるという画期的なシステムとなっていますので、興味がある方はぜひ以下のリンクから詳細をご確認いただき、気軽にお問い合わせください。
>>EARTHSTORYの詳細はこちら

関連記事

TOP